Enduro-Trial

初めて絵を買った - アートの価値

約3分

人生で初めて絵を買いました。
この記事の写真は全て前回紹介した宮崎光学のレンズで撮影しています。

海で拾った木に和紙を貼り、灰を塗り絵を描いたそうです。
初めて灰を使って描いた絵で、気がついたら出来ていたそうです。
それゆえにシンプルで純な作品なのでしょう。

蝋燭

この絵を描いた方は20年間ろうそくを作り続けて来ました。
ろうそくの装飾にこだわった時期もありましたが、ろうそく自体はシンプルにしたいので、その作成意欲がその他のアート>に派生しました。

その方の実家ではテレビが常に付いていて、電気も蛍光灯であったので落ち着かなかったのですが、
海外に行った時に落ち着かない理由が判り、ろうそくに興味を持ったそうです。

蝋燭の意味

ろうそくの意味を考えていくと単にあかりを灯すものではなく、その場を整えるものであると行き着いたそうです。

ろうそくの周りにどんな物を置くか、どんな料理を置き、どんな人と食事をするかなどを考えることでろうそくが場をデザインしたり整える力を持ちます。

その感覚に至ったのはろうそくを作り続けて探究し、アートの領域まで高まったからだと思います。

なぜこの絵に価値を感じたのか

単純にその絵をコピーすることは出来ますが、その絵は20年間ろうそくを作り続けた経験、感覚、自分で得た知識などが入っていると考えています。それ以上にその人の人生全てが入っていて、その人のアートだと思います。

ろうそくを20年間作り続けることは出来ないし、他人の人生を生きることは出来ません。

知識や技術の集積ではそこに辿り着けません。自分の人生を生きて、自分のアートを生み出したいものです…

デジタル写真では身体的要素が修練されたものとして入り込み難く、撮影自体は誰でも出来る行為であり、パラメーターをいじるだけでは独自性が生まれ難いので、人生経験などのアナログ的経験で価値を高める必要があると思います。

絵を買ってみて

彼女が画家志望なので、絵を買うという経験を通して色々考えてみました。

先ず本人に直接会って魅力を感じたり、話を聞かなければ買わなかったでしょう。絵という単純なものをある程度高く売るには、直接会って、付加価値を感じて貰う必要があると思います。

作者は自分の作品はろうそくの光の様にゆっくり発信しているから、気付かれないこともあるけど、時々こうして買って貰えると励みになるというようなことを仰っていました。

それが自分の心を落ち着けてくれると感じました。派手で分かりやすいものは目に付きやすいですが、飽きやすいと感じます。

Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pinterest
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE